逗子市 K邸 【逗子海岸を遠望する高台の家】

 

逗子市 K邸 【逗子海岸を遠望する高台の家】

葉桜団地に完成した、白い外壁とチャコールの屋根、木製サッシが重厚感を醸し出す住宅。
リビングからは古墳の山が見え、ロフトからは逗子海岸を遠望できる素敵なロケーションに恵まれた立地です。
建物は落ち着きのある外観に対し、室内は無垢のパイン材、杉材を多用したナチュラル色で軽快な印象があります。1階に個室群、2階にLDKと家事室、ユニットバスを配しました。
住宅の間取りを考える際には、お施主さんとの対話を繰り返します。この住宅は奥様のリクエストがふんだんに盛り込まれる事となりました。
プランニングの最初の段階で、泊まりに来るお客様はめったにないという事を伺ったため、奥様の家事動線を第一優先に間取りを考えました。それは、キッチンのすぐ裏に洗面脱衣室とパントリーを兼ねる家事室を設ける事で実現。家事ラク動線の確保と、省スペース化に効を奏しています。家事室には奥様のための書斎スペースもあります。
リビングに和室コーナーが欲しいというリクエストには、3畳分の畳(半畳縁付)を段差なしで敷き込む事で対応。ソファ等の家具を置くよりも、贅沢な30㎜厚杉材と本床畳の肌触りを直に座って感じていただきたいと考えています。
玄関ホールに入ると広めのホールと飾り棚に目が行きます。これは2階への隠蔽配管をカモフラージュするために作ったものですが、棚下に照明を仕込むなどの工夫で遊びのスペースとなりました。
書斎コーナーには、葉山で古材を商う「桜花園」で探した欄間障子を1枚、はめ込みました。取り外して障子を貼り替える事も可能です。既製の新品建材には出せない良い味を感じさせてくれています。
キッチンのガス台前の構造壁は裏面を飾り棚にしてみました。左官屋さんの協力で、この部分だけ、漆喰仕上げにしてみました。リビングのホタテ塗装とは一味違った仕上がりになっています。
さて私共は、小さなお子様のいる家庭のロフトの場合、落ちないように心を配り、工夫する必要があると考えています。ハシゴで上がるロフトならば、ハシゴを外しておけば良い訳ですが、K邸のようにロフトを子供の遊び場として使う前提がある場合には、ただの手摺ではまずいのではないかとスタッフ間で意見が一致しました。微妙な位置にあった梁を利用して、格子を斜めがけにしてみると、ロフトは広く使える事になり、リビングから見上げると京町屋の格子窓のようです。なによりお施主様に喜んでいただけたのは嬉しいです。
今回も、お施主様が色々な課題を与えて下さった事、それに応えるべく我々が用意したアイデアを快く受け止めて下さった事で、素敵な住まいの完成に至りました。
これからも末永くよろしくお願いします。

屋根:アルメットルーフィング(砂付きガルバリウム鋼板)
外壁:モルタル+ガイナ塗装
窓周り:アンダーセン(木製サッシ)
玄関ドア:YKK-AP
室内ドア:ウッドワン息吹シリーズ
主な内装:無垢パインフローリング、杉フローリング、ホタテ塗装、漆喰、ビニールクロス